ICOって儲かるの?STOって何?ブロックチェーン活用の新しい資金調達方法を簡単解説!

「ICOって儲かるの?」
「知り合いから〇〇トークンを購入してICOに参加しないかって勧誘されたんだけど…」

「ICO」という言葉を聞いたことがある方のなかには、このように感じている方もいるのではないでしょうか?

ICOとは「Initial Coin Offering」の頭文字を取った言葉で、ブロックチェーンを活用して行われる新しい資金調達手法のこと。2017年から2018年前半にかけて、ICOによる資金調達が活発に行われていました。

しかし、アメリカを中心とする多くの国がICO規制の強化に乗り出したため、2018年後半に入ってからは、ICOによる資金調達は減少傾向にあるのが現状です。

このような背景もあり、2018年12月21日現在では、ブロックチェーンを活用しつつ既存の規制内で資金調達を行う「STO」(Security Token Offering)という手法が登場しています。

そこで、この記事では、

  • ICOってなに?
  • 日本と世界のICO規制の概要
  • STOとは?

という点について解説していきます。

なお、ICOへの参加や〇〇トークンの購入を勧められた場合は、注意した方が良いでしょう。
ICOへの参加はリスクが大きく、詐欺の可能性も否定できないのです(記事の最後には金融庁からの注意喚起へのリンクも載せています)。

トークンを販売して行われるICO(Initial Coin Offering)の基本と仕組み

「ICO」(Initial Coin Offering)とは、トークンを販売して行われる資金調達のこと。そして、「トークン」(Token)とは、ブロックチェーン上で発行・流通する電子的な証票のことで、何らかの資産や権利と紐付いているので価値があります。
このトークンを販売し、その対価として資金を集める手法が「ICO」なのです。

資産や権利、証票などと書くと難しく感じますが、基本的には仮想通貨とあまり変わらないモノだという認識で問題ありません。

なお、ICOを実施する主体は、創業期のチームやベンチャー企業などサービスを開発する事業者である場合が多いです。

さて、ICOは以下のような仕組みで行われます。


ICOの仕組みと分類
出典:「金融庁」https://www.fsa.go.jp/news/30/singi/20181126-3.pdf

 

ICOという資金調達方法は、以下の点で金融機関による出資やファンドからの融資と異なります。

・投資家目線:創業間もない企業に投資できる、一般的な個人でも投資に参加できる
・事業者目線:サービスやプロダクト(製品)の構想段階で、多額の資金調達が可能になる

特に、創業期というリスクの高い時期に、投資経験の無い一般人であっても投資ができるという点で、画期的な仕組みだったといえるでしょう。

そして、この資金調達方法は、国内の地方自治体でも注目され、例えば岡山県西粟倉村ではICOで自治体の財源を確保する「地方創生ICO」が検討されているほどです。

ただし、過去にICOを行ったプロジェクトのほとんどは失敗に終わっており、さらには詐欺的な案件も散見されたため、様々な国で規制が強化されています(2018年12月21日現在)。

データで見るICOのすごさ

それでは、ICOによる資金調達がいかにすごかったのかを数字で見てみましょう。

今回はアメリカのブロックチェーン系メディア「CoinDesk」で公開されているICOの統計データを基に見ていきます。

ICOの推移(年ごと)


ICOによる資金調達額の推移(年ごと、2014年〜2018年、$mn=100万USドル)
出典:https://www.coindesk.com/ico-tracker

 

まず、2014年〜2018年の年ごとのICOによる資金調達額を見ると、2017年に急増していることが分かります。1USドル=113円とすると、2017年には約6,200億円、2018年は約1.9兆円もの資金がICOで調達されています。

なお、2017年におけるICOの最大調達額は約296億円でしたが、同年に伝統的な方法で行われた国内の資金調達は128.9億円が最高額でした
※参考: https://jp.techcrunch.com/2018/03/23/entrepedia-startup-finance/

ICOを行うチームや企業は、サービスやプロダクトが構想・開発段階であることが多いにもかかわらず、これだけの資金が集まるのは驚異的です。もちろん、金額の大きさとサービスやプロダクトの質は必ずしも比例するわけではありません。

ICOの推移(月ごと)

月ごとの推移は以下の通りです。こちらも2017年に急増していることが分かります。


ICOによる資金調達額の推移(月ごと、2014年〜2018年)
(出典:https://www.coindesk.com/ico-tracker

なお、もっともグラフが伸びているのは2018年6月です。これは「EOS」(イオス)というブロックチェーン開発プロジェクトが行ったICOによるもので、EOS単体で約4,750億円もの金額を集めています。

投資家から見ると多くのICOは儲からない

事業者にとっては、多くの資金を創業段階で集められるICOのメリットは大きいですが、トークンを購入する投資家から見ると、ICOはあまり儲からないようです。

以下のデータは、2018年7月〜9月にICOを行い、トークン取引所で取引できるようになった(上場した)34種類のICOトークンへ100USドルずつ投資した場合のシュミレーション結果を示しています。

多くのプロジェクトで損失が出ているのが分かるのではないでしょうか?(赤い棒グラフは損失を表す)


投資としてのICOは儲からない
出典:https://assets.coingecko.com/reports/2018-Q3-Report/CoinGecko-2018-Q3-Report-JA.pdf

 

ICOへの投資はリスクが高く、儲からないのです。このような背景もあり、多くの国はICO規制を実施し始めています(2018年12月21日現在)。

日本でのICOは合法だが実質的なハードルは高い!ICO規制をサクッと解説!

ここで各国のICO規制を概観しておきましょう。まず、日本ではICOによる資金調達は合法化されていますが、国内で行うには以下の条件を満たす必要があります。

・トークン発行者が仮想通貨交換業登録を取得してICOを行う
・トークン発行者が国内の仮想通貨交換業者に委託してICOを行う

「仮想通貨交換業」とは、国内で仮想通貨やトークンの販売や取引所を運営するために必要なライセンス(免許)です。
金融庁に登録申請を出す必要がありますが、2018年12月21日現在、仮想通貨交換業登録のハードルは相当高いため、国内で資金調達のためのICOを行う実質的なハードルは高いと考えられるでしょう。

海外ではICOトークンを証券として規制している国が多い

以下の図はICOに対する各国のスタンスを色分けしたものです。


ICO規制の国別一覧(2018年12月現在)
出典:https://www.pwc.ch/en/industry-sectors/financial-services/fs-regulations/ico.html

色ごとの意味は以下の通りです。

=合法、寛容的(仮想通貨・ICO向けに新たに法律を改正/制定)
オレンジ=警戒、既存の法律の枠組み内での規制
=禁止
その他=不明

多くの国がICOトークンを「証券」(Security)として扱い、既存の法律内で規制しようとしているのが現状です。ただ、そのような国でも今後、仮想通貨やICO向けの新しい法規制が施行される可能性は十分にあり得ます。

なお、基本的にはICOトークンは証券として扱われるため、トークンを販売するには、規制当局に登録しなければなりません。そこで、既存の規制内で合法的にトークンを販売する「STO」(Security Token Offering)という手法が普及しつつあります。

トークン販売による資金調達はSTO(Security Token Offering)が増加中

前のセクションでも解説した様に、ICOトークンは証券として見なされる場合が多く、面倒な手続きを踏まなければ販売できません。

そこで、「STO」(Security Token Offering)という新たな資金調達手法が普及しつつあります。「Security Token」とは「証券型トークン」のことで、その名の通り、証券性のあるトークンのことです。

ICOに比べて様々な制約が課されるものの、証券に関する法律に沿ってトークンの販売ができるため、STOを行う事業者が増えています。今後もSTOの事例が増えていくでしょう。

STOの主なメリットは以下の通りです。

・証券の取引手数料を削減できる
・規制に対応した柔軟なトークンを設計できる
・24時間365日いつでも取引ができる

ただし、STOはメリットがある一方で、投資できる者が限られるため、ICOの画期的な点であった「誰もが投資に参加できる」という性質は失われる点は否めません。

まとめ

ICOは新しい資金調達方法として、2017年から2018年後半にかけて盛んに行われました。しかし、ICOを行ったプロジェクトの多くが失敗に終わっており、すでに解散したプロジェクトや損をした投資家も少なくありません。現在では、投資家保護などの観点から各国でICO規制が行われています。

ただ、規制が強化されているとはいえ、ブロックチェーン上でトークンを発行・流通させるという手法は、これまでに無いものであり、今後もSTOのように形を変えて普及していくかもしれません。

ICOに関する注意喚起

なお、ICOへの参加に関しては、

・価格変動リスクが大きい
・詐欺案件リスクがある

という点が問題視されており、金融庁からも注意喚起が出ています

知人やネット上で「儲かる」「あの著名な〇〇氏も参加」などの文言で勧誘されているケースがありますが、話に乗らない方が身のためです。

※この記事は2018年12月25日現在の情報を元に書かれています。

 

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