【ChainAge独占】仮想通貨取引所、金融庁登録への道①|発起、資金調達、そして…【匿名投稿】

※このコラムは匿名投稿です。

これは、筆者が仮想通貨の取引所ビジネスに参画したときから、2017年12月までの間に起こった出来事である。正式な交換業者自体、まだ16社しか登録がなされていない状況であることも鑑み、若干のフィクションを織り交ぜながら、しかし、取引所ビジネスのど真ん中で働いてきた人間としての心情は包み隠さず綴っていく。
2018年も末、「登録制」のはずが、ほぼ「許可制」となってしまっている交換業者、今後、仮想通貨業界がグローバルに盛り上がりを見せるか、そのまま衰退していくのかは今後の金融庁の対応次第だと考える。
一日でも早く、多くの交換業者が誕生し、活発に取引がなされることを望む。

 

はじまり

2016年春、資金決済法が改正され「仮想通貨」が正式に決済通貨として法律に規定されることが約束された。

これは世界でも初めての試みであり、筆者はこの時、「今後の仮想通貨業界をけん引していくのは日本しかない!」という思いに至った。

まずは改正される資金決済法及び周辺の法律および規則、そして金融庁登録のガイドラインを読み込んだ。

結果、どうやら財政的基盤が必要であり、資本金が1000万円以上でないと、その要件を満たせないということが分かった。

となればやることは会社の資金調達だ。

2016年は、まだ仮想通貨があまり世に知られていない状況(今もだが)であり、資金調達はなかなか困難であったが、シードラウンドにも関わらず、数億円の調達を何とかすることが出来た。

この調達は非常に嬉しかった。

仮想通貨業界は、今もなおだが、怪しい業者、怪しい人が考えられないほどいる。

投資家となれば、それはそれは怪しい、山っ気のある人たちばかりだ。

初めて会うそんな人たちに、会社概要やどんなことを実現したいのかの夢を語る。訳の分からない業者と打合せをする日々が続いた。

次にやることは、取引所システムの開発である。

これに関しては、当時、先に取引所ビジネスを展開していた企業からソースコードを買い、それを修正していく形で何とか自社の取引所システムを構築して行くことにした。

今思えば高い買い物だったかも…と思うほどの金額であったが、その当時はまずC向けサービスもやったことがなく、費用感も分からない。

また、この企業以外に仮想通貨ビジネスを展開している企業とのつてがなかったため、ほぼ向こう側の言い値でシステムを購入してしまった。

それに加えてシステムを修正しなければならなかったので、システム費用だけで結構な資金が無くなってしまった。

さて、どうしたものか。

本業そっちのけで仮想通貨ビジネスを走らせるには限界があるため、本業で稼いだ分を仮想通貨ビジネスにつぎ込むことで、ひとまずシステム的には、当時としてはまともなサービスが開始できるレベルにまで引き上げることが出来た。

なぜ、ここまで焦って開発まで進めたかと言うと、この時点で、すでに2016年が終わろうとしていたためだ。

2016年4月に資金決済法の改正法案が成立した。法律は、法案が通ってから1年以内に施行しなければならない。したがって、タイムリミットは恐らく2017年3月末だったのである。

ひとまず2017年3月末の改正資金決済法が施行される前にシステムを稼働し、サービスを立ち上げることが出来れば、いわゆる「みなし業者」としてサービスを継続しながら金融庁登録業務を行うことが出来るし、既存業者の方が、恐らく登録順位が速くなるのではないかと考えたのだ。

迎えた2017年4月

読み通り、2017年4月には改正資金決済法が施行され、仮想通貨が正式に決済通貨として世界で初めて認められた歴史的一日となった。

仮想通貨業界で生きている人間にとっては、(ビットコインとピザが初めて交換された)ピザの日と同じぐらい歴史的な一日だと個人的には思う。

この時、筆者は「日本が仮想通貨業界の先進国となるのだ!」と信じて疑わなかった。

この当時まだビットコインも15万円ほどだった記憶がある。が、2016年と比べると、それでも3倍ほどになっていたため、「ビットコインは使い道がないのにこんな価格で買うやついるのか?」と思っていたが、2017年末には200万を超える大暴騰をした。

1BTC1億円も夢じゃないのか?と思っていた矢先、2018年現在、価格は40万前後にまで落ち込んでしまっている。

200万の値が付いたということは、誰かがその価格で購入したということであるが、誰が買ったのだろうか…。あと何年塩漬けにすれば回収できるのか見ものだ。

金融庁初訪問

改正資金決済法が施行されてから、初めて「仮想通貨モニタリングチーム」というものが金融庁に設置され、会いに行くことになった。

最初は簡単な顔合わせと、体制やシステム面、特にウォレット管理の部分について説明した記憶がある。

特に分別管理の部分はしつこいほどに説明を求められたが、仮想通貨に関する知見はこちら側に分があったため、説明に窮するほどの質問が飛んでくることはなく、安心した記憶がある。

仮想通貨モニタリングチームは財務省のキャリアと金融庁の人間で構成されていた。説明の度に毎回訪問しなければならないのかと思っていたが、その後は「質問票でのやり取りがメインになります」と言われ、少し安心した。

質問票でのやり取り

具体的な質問票の中身までは踏み込まないが、登録申請にあたっては、まず社内規定や運用体制図、システム機能の一覧、業務委託先、会社のPL/BS等々、サービスを開始するために必要なヒト・モノ・カネの部分について全て開示しなければならなかった。

これらを一通り作成して金融庁に仮で登録申請に必要な添付資料を全て提出すると、その中身についての質問事項がエクセルで送られてくる。

この質問票には全て、整合性もさることながら、金融庁、役人が好むような回答をしなければならなかった。

この勘所を掴むまで中々苦労したが、2017年当時は今より厳しくはなかったので、そこまで困難なものはなかった。

というより、中身に踏み込んだ質問よりも、体裁に関する質問が多かった記憶がある。質問に関しても、法律・規則・ガイドラインに沿った内容であったが、一通り条文関係は全て網羅的にチェックしていたため、そこまでクリティカルな内容なものはなかった。

例えば、従業員の経歴書は「和暦」で記載しろ、「従って」ではなく「したがって」など…

本質的ではない質問が数多くあり、正直イライラしながら質問票に回答を記入していた。

通常のビジネスであれば、体裁なんてものは後回しであり、本質的な部分について解決させ、時間があれば体裁も整えて行きましょうという流れだと思われるが、役人は違う。彼らはまず体裁が重要なのだ。

しかも業者登録をしたがっている企業が数十社以上行列をなしている状況で、そんなくだらない質問のやり取りで、また一番後ろから並び直しか!と頭に来るのも仕方がない。

人集め

質問票でやり取りしつつ、金融庁登録を行っている最中であっても、人を集めなければならなかった。人がいなければ運用もできない。

仮想通貨取引所ビジネスに関しては、求人を出しても人なんて誰も来なかった時代なので、リファラルで集めて行くしかなかった。

それまでの本業の既存のクライアントを頼りつつ、何とかボードメンバーを集めることが出来たが、これもなかなか困難であった。

なぜなら、給与を支払うほどの体力はないため、最初は無給で協力者を募るしかなかったのだ。

数少ない協力者を集め、(筆者含め)本業がある中、みんなに協力してもらっていた。

ちなみに筆者は代表取締役でも何でもないので、完全なる丁稚奉公であったが、良い経験をさせてもらったし、今は取引所ビジネスではない他の仮想通貨業界で仕事が出来るほどバリューアップは出来たので、まぁ良しとしている。

そして取引所ビジネスから離れた今だからこそ、このようなコラムを書けている。

取引所ビジネスのど真ん中にいる人たちは書けないし、書かない方が良い。金融庁に変な指摘材料を渡してしまうだけだ。

しかし、思うところは同じなのではなかろうか。

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