実は多機能な仮想通貨ネム(NEM/XEM)とは?【基本解説】

「市場の約10%のネムが日本円とトレードされている」

実は、ネムは日本人に人気の仮想通貨で、ネムともっとも多くトレードされている法定通貨も日本円です。

しかし、ネムという仮想通貨を聞いたことがある方のなかには、当時のレートで約580億円ものネムが国内の取引所から盗まれた事件をきっかけに知った方もいるのではないでしょうか?

「ネムって大丈夫?」

この事件でネムのことを知った方は、このように感じている方もいるはずです。

しかし、ネム自体には何の落ち度もありません。 それどころか、ネムは仮想通貨のなかでも多くの利用者と開発者に支えられており、ビットコインには無い様々な機能があるのです。

国内でもネム決済に対応した店舗やWebサービスが登場しており、日本語ベースのサービスも多いので比較的気軽に利用できます。

この記事では、そんなネムについて、

  • ネムにはどのような機能があるのか?
  • どこでネムが使えるのか?
  • ネムを手に入れる方法は?

という点について具体的に解説しています。

この記事を読み終わる頃には、ネムに対するイメージが変わっているかもしれません。

また、記事の最後には、ブロックチェーンをより詳しく理解したい方にとって参考になる記事や資料も紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。

新しい経済圏を創造する!仮想通貨ネム(XEM)とは?【基本】

ネムは送金だけではなく、オリジナルの仮想通貨のようなもの(ネムではモザイクと呼ぶ)を作成できたり、公証(公に行われる存在証明)機能を利用できたりするなど、多くの機能が利用可能です。

日本人に人気の仮想通貨で、世界で取引されているネムの10%程度が日本円でトレードされています。

 

2018年11月18日時点のネムの取引割合(取引所、通貨)
https://coinlib.io/coin/XEM/NEM

画像の右上にある「XEM」(ゼム)とは、ネムの通貨単位のことです。

ネム(NEM)という名称は、「New Economy Movement」(訳:新しい経済運動)の頭文字を取ったものに由来します。

これまでの経済のように、機会が不平等で一部の人にだけお金が集まるのでなく、あくまでも機会の平等と公平性、金銭的な自由などを重視した新しい経済圏の創造を目的として始まったプロジェクトという意味です。

なお、ビットコインなどの仮想通貨と同じように、ネムも「ブロックチェーン」によって支えられています。

ブロックチェーンとは、簡単にいえば、銀行や金融機関などの仲介者がいなくても、インターネット上でデジタルな資産を信頼関係に無い相手と安全に取引できるようにする技術です。

さらに、ブロックチェーンは簡単なデータを保存することが可能で、時間が経過するほど、保存データの改ざん(変更)がほぼ不可能になるという性質もあります。

ブロックチェーンのことを詳しく知りたい方は、以下の記事や後半で紹介する本を読んでみてください。

✓ブロックチェーンとは?

さて、世界初の仮想通貨であるビットコインとネムを比較してみましょう。

※2018年11月18日現在

  ビットコイン ネム
送金スピード 平均約10分
※取引が確定したと
見なせるまでには約60分
平均約1分
時価総額 1位
(約12.7兆円)
15位
(約946億円)
取引が承認されるには? 計算問題の答えを見つける
(Proof of Work)
ネム経済圏への貢献度が大きい参加者がチェックする
(Proof of Importance)

※時価総額:発行済み仮想通貨の価値を法定通貨建てで評価したもの

 

比べてみると、ネムはビットコインよりも送金スピードが速い一方で、時価総額は100分の1以下です。

また、ビットコインもネムも、銀行のように取引の正当性を保証してくれる管理者のいないため、何らかの方法でその正当性を確認し、承認しなければなりません。

ビットコインの場合は、世界中の利用者が大量の計算問題を一斉に解き、もっとも速くその答えを見つけた人(実際にはコンピュータ)が承認する取引を決める権利を得られます。

取引は一定のルールにしたがって、不正が無いかチェックされるので、たとえ勝者であったとしても自分に都合の良い取引ばかりを承認することはできませんし、そのようなことをしたら、競争は無効になってやり直しになってしまいます。

この仕組みは少し分かりづらいので、興味のある方は後ほど紹介する資料を読んでみてください。

一方で、ネムの場合は、ネムをたくさん保有し、頻繁に使っている人がランダムで正当な取引を承認できます(実際にはもう少し複雑な条件によって決定されます)。

つまり、ネム経済に大きく貢献している人ほど、取引を承認できる確率が上昇するのです。

例えば、この取引の承認作業を行う権利は、10,000XEM以上のネムを保有している人でないと与えられません。

ビットコインもネムも取引の承認には一定のコストがかかりますが、取引を承認できた場合には報酬として、それぞれの仮想通貨を獲得できるので、参加するには十分なインセンティブ(動機)があります。

オリジナルコインも作れる!仮想通貨ネム(XEM)にできること【機能概要】

冒頭でも触れたように、ネムには様々な機能があります。 以下は、ネムの機能の一例です(2018年11月現在)。

  • オリジナルのモザイク(トークン)作成
  • メッセージの送信
  • 証明書発行(公証)
  • 投票システム

ネムの開発は現在でも進んでいるため、今後も様々な機能が追加されているかもしれません。

モザイクは、他のブロックチェーンにおいては「トークン」と呼ばれることが多い仮想通貨のようなものです。

「何か価値あるモノ」とモザイクが紐づくことで、実際に価値を持たせることができます。

例えば、人気アイドルがオリジナルのモザイクを発行したら、そこには価値が付くはずです。

さらに、「100モザイクを持っていれば限定イベントに参加できる」などの特典が付くとその価値はさらに高まるでしょう。

また、証明書の発行はネム独特の機能です(公証機能)。 この機能を用いることで、「ある特定の時間にそのファイルが間違いなく存在していた」という存在証明を行うことができます。

公証作成画面(Nano Walletより)

 

「Nano Wallet」というネム専用のツールを使ってファイルをアップロードすることで、公証機能は利用できます。

アップロードされたファイルは、暗号化された状態でネムブロックチェーンに記録されるため、改ざんすることができません。

そして、Nano Walletには公証の監査機能もあるため、ファイルに少しでも変更があると、チェックしたときにエラーが出るようになっています。

ファイルの監査画面(Nano Walletより)

 

このように、ビットコインが送金に特化した仮想通貨であるのに対して、ネムには様々な機能が付いており、ネムのように送金以外の目的を実現しようと誕生した仮想通貨は「ビットコイン2.0」と呼ばれることもあります。

なお、ネムの概要については、開発者たちが制作した動画として公開されているので、英語が分かる方は視聴してみると良いかもしれません。

3分で分かるネムの紹介(英語)

実はすでに使われているネム(XEM)【事例紹介】

少しずつですが、ネムに対応した店舗やWebサービスが登場してきており、さらにネムブロックチェーンのモザイク発行機能を使って事業を行う企業も国内には存在します。

なお、この記事で紹介する事例は、いずれも2018年11月18日現在の情報です。

店舗決済やWebサービスにネム(XEM)が使われている事例

焼肉たむら(蒲生本店)

焼肉たむら
出典:http://www.yakiniku-tamura.com/

某有名お笑い芸人が経営する焼肉店です。対応店舗は限られますが、食事代をネムで支払うことができます。

うなぎ料理専門店 川昌(埼玉)

出典:https://twitter.com/kawashou1222

一部の仮想通貨好きのなかで有名なのが「うなぎ料理専門店 川昌」です。

現在8種類の仮想通貨決済に対応しており、ネム決済も可能となっています。

また、Twitterをフォローすると美味しそうな賄い料理やうなぎ料理の写真が流れてくるので、仮想通貨に関係なくフォローすると良いかもしれません。

nemlog

ブログサービスnemlog
出典:https://nemlog.nem.social/

nemlogはネムを使って投げ銭ができるブログサービスです。

良い投稿をしたブログ投稿者への共感・応援の印として、ネムの投げ銭(寄付)を行うことができます。

ネム(XEM)のモザイク機能などを活用した事業例

PoliPoli

PoliPoli
出典:https://www.polipoli.work/

PoliPoliは、政治家からの良質な情報発信や有権者の議論を促進するための政治コミュニティアプリです。

良質な情報発信や質問などを行ったユーザーに対して、ネム上で発行されたモザイク(トークン)を付与することでユーザーの行動を促進させようとしています。

なお、運営企業の株式会社PoliPoliは、すでに投資家から数回の資金調達を実施済みです。 過去には石破茂元地方創生大臣らをゲストに招き、若者と政治をテーマにしたイベントを主催したこともあります。

ネム(XEM)の買い方・売り方

ネムを手に入れる方法は3つあります。

  1. ネムネットワークに貢献して報酬をもらう(ハーベスト)
  2. 仮想通貨取引所でネムを購入する
  3. Webサービスを利用して、ネムをもらう

1のハーベストを行うには、10,000XEM以上の残高が必要なので、余剰資金がある方は試してみるのも良いでしょう。

また、取引所でもネムの購入は可能ですが、国内ではあまり対応事例が多くないのが現状です。

ただ、2の方法が一番手軽ではあります。 その他にも、nemlogなどで面白いコンテンツを提供できれば、ネムを投げ銭してもらえるかもしれません。

日本でネム(XEM)を買うなら仮想通貨取引所を使おう

「仮想通貨取引所」とは、日本円と仮想通貨を交換・取引するサービスのことです。

取引所で口座を開設するには運転免許証などによる本人確認が必要ですが、その他は通常のWebサービスと同じ感覚でメールアドレスとログインパスワードを設定すれば利用できます。

なお、口座開設には1週間ほどかかるので、注意が必要です。

 

※参考:ネムを取引できる国内の仮想通貨取引所【一覧】

取引所名 売買できる仮想通貨
DMM Bitcoin ビットコイン(BTC)
イーサリアム(ETH)
リップル(XRP)
※証拠金取引でネム(XEM)の扱いあり
Zaif
※運営会社は2018年11月22日より
株式会社フィスコ仮想通貨取引所
ビットコイン(BTC)
ビットコインキャッシュ(BCH)
モナコイン(MONA)
イーサリアム(ETH)
ネム(XEM)
Coincheck
※みなし業者
ビットコイン(BTC)
ビットコインキャッシュ(BCH)
イーサリアム(ETH)
イーサリアムクラシック(ETC)
ライトコイン(LTC)
リスク(LISK)
リップル(XRP)
ネム(XEM)
ファクトム(FCT)

 

※2018年11月18日現在の情報を基に作成 ※証拠金取引とは、取引所に保証金を預けることで可能な取引のこと。手持ち資金以上の取引ができるレバレッジ取引などが該当する。

※みなし業者とは、金融庁から営業許可をもらうための登録審査中であり、登録の可否が判明するまでの間、営業を認められている業者のこと。

ネム(XEM)取引の基本リスクは把握しておこう

基本的にネムは価格変動が激しいので、購入する際には余剰資金を使うようにしましょう。

また、仮想通貨取引所がサイバー攻撃の被害に遭ったときに備えて、数万円以上のネム(仮想通貨)を保有する場合は、仮想通貨専用の保管ツールである「ウォレット」の利用をお勧めします。

  • おすすめのウォレットアプリ:Nano Wallet(パソコン版)、NEM Wallet(スマホ版)
  • おすすめのハードウェアウォレット:TREZOR、Keepkey

Nano Walletという名称のスマホアプリが存在しますが、ネムには対応していないので注意してください。

ネム(XEM)をもっと知りたい人向け【情報まとめ】

ネムの仕組みを知るには、世界初の仮想通貨であるビットコインをベースにブロックチェーンについて理解するのが一番の近道です。

詳しく知りたい方は、以下の記事や書籍を読んでみてください。

・ブロックチェーンとは(ChainAge)
https://chainage.jp/knowledge_what-is-blockchain.html

・仮想通貨とは(ChainAge)
https://chainage.jp/knowledge_what-is-crypto-currency.html

・いちばんやさしいブロックチェーンの教本 人気講師が教えるビットコインを支える仕組み(杉井靖典(著))、2017年、インプレス
http://amzn.asia/d/j4bMdR6

また、少し専門知識が必要ですが、日本人の有志によって作成されたネムの説明書も公開されています。

・NEMの説明書
https://nemmanual.net/

・NEM Technical Referenceの和訳
http://nemmanual.net/NEM_Technical_reference_JA/

 

さらに、ビットコイン誕生の背景にある物語を知ることで、より仮想通貨やブロックチェーンの面白さが味わえるかもしれません。

・デジタルゴールド―ビットコイン、その知られざる物語(ナサニエル・ポッパー (著)、土方 奈美 (翻訳))、2016年、日本経済新聞出版社
http://amzn.asia/d/7bhi375

・仮想通貨ビットコイン
https://www.netflix.com/jp/title/80154500
※視聴にはNetflixに別途登録が必要です(1ヶ月の無料体験中)

まとめ

国内では仮想通貨流出事件によって、ある意味有名になったネムですが、実は様々な機能を備えており、日本人のファンも多いです。

実際にネムが使える店舗やサービスも少しずつ増えてきており、なかには、ネムブロックチェーンを使った事業を行う企業も登場しています。

ネム自体は2018年11月現在の単価が低く、対応する日本語サービスも複数存在するため、気軽に仮想通貨を使ってみたい!という方には丁度良いかもしれません。

また、この記事では、具体的な方法を紹介しませんでしたが、ネムを使えば自分のオリジナルコイン(モザイク)を比較的かんたんに作成可能です。

もし興味がある方は取引所でネムを調達して、使ってみてはいかがでしょうか?

▼ほかの仮想通貨についての解説記事はこちら

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