配当型トークンにはIPOと同様の規制?ICO規制で議論|金融庁の研究会

金融庁は1日、8回目となる「仮想通貨交換業等に関する研究会」を金融庁内で開催し、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)の規制に関する議論を加速させた。

ICOの現状

金融庁によると、ICOによる全世界での資金調達額は約55億ドルで、2018年は1月から7月までで約143億ドル。日本国内の事例は多くないものの、トークン価格の急降下や、約束されたサービスが実際には提供されない詐欺案件が数多く存在するなどの相談が利用者から寄せられているという。

こうした現状を踏まえて、中国や韓国ではICOを原則禁止にしているほか、アメリカやEUなどは特定のICOトークンが既存の証券規制の対象になると位置づけ、注意喚起を実施している。また、フランスやマルタでは、ICOに特化した規制の検討が行われているという。

日本では、金融庁による注意喚起文が公表されているほか、発行されるトークンが①不特定の者に対して代価の弁済に使用でき、かつ、不特定の者を相手に法定通貨と交換できる場合②不特定の者を相手に仮想通貨と交換できる場合――は「資金決済法」の規制対象になり、発行されるトークンが投資的な性質を持つ場合は、「金融商品取引法」の規制対象になる旨の注意喚起を行っている。

ICOの種類

スイス金融市場監査局(FINMA:the Swiss Financial Market Supervisory Authority)が今年2月に公表したガイドラインでは、数多く存在するICOトークンを

  • Payment tokens(決済用トークン):決済手段として用いるトークン
  • Utility tokens(ユーティリティトークン):特定のデバイスやサービスの利用に必要なトークン
  • Asset tokens(アセットトークン):企業や何らかの資金源に根差した資産に相当するトークンや、保有していると配当や利子を得られるトークン

と分類。会合ではこれに「権利の内容があいまいなトークン」を加え、議論を進めた。

金融規制の要否

会合では、金融庁側がそれぞれのトークンを「金融の機能を有するかどうか」で線引きし、規制をしてはどうかと提示。Payment tokensやUtility tokens、権利の内容があいまいなトークンなどによるICOについては、金融機能がないことから金融規制の対象外とし、Asset tokensなどの投資商品、投資サービスとしての性格があるものに関しては、株式のIPOなどと同様の規制を課してはどうかという考えを示した。

※金融庁の資料より引用

メンバーの意見

「スタートアップが比較的容易に資金調達できるといったICOの有用性も踏まえて、全面的に禁止するべきではない。健全な発展に寄与するよう適当な規制を」との意見が大半を占めた。

その上で規制の具体的な内容についてはメンバーの一人が、「金融機能を有するかどうか」の線引きによって規制範囲を定めることで、「規制の抜け道ができ、実害につながる可能性がある」と指摘。ICO全体に一律の規制を検討するべきだと主張した。

また、他のメンバーからは、ICOごとのリスクなどを判断し、個別に既存の規制を適用させてはどうかとの意見も出た。これに対しては、数多くある案件を精査できるのかどうかなど、実現性を疑問視する声も上がった。

このほか、「利用者保護の観点からクーリングオフ制度の適用を」「一国による規制のほかに、国際的な規制の枠組みも検討していく必要がある」などの意見も聞かれた。

・金融庁のプレスリリースはこちら

・第7回「仮想通貨交換業等に関する研究会」の内容はこちら

・第6回「仮想通貨交換業等に関する研究会」の内容はこちら

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