警察庁が「犯罪収益移転危険度調査書」を公開|2017年、仮想通貨不正送信の被害総額は6.6億円

警察庁の犯罪収益移転防止対策室(JAFIC)は12月6日、平成30年度版の「犯罪収益移転危険度調査書」を公開した。

この中で、2017年、国内で生じた仮想通貨交換業者などへの不正アクセスによる被害件数は149件、被害額は約6億6,240万円相当に及ぶと報告された。

「犯罪収益移転危険度調査書」とは

https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/index.htm

 

犯罪収益移転危険度調査書」は、マネー・ローンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与などのリスクを調査・分析したもので、警察庁では平成27年より仮想通貨によるリスクをまとめ、報告している。

仮想通貨は、匿名性が高いという性質上、最近ではマネー・ローンダリングに悪用されるケースが目立っている。

その原因は、仮想通貨交換所事業が急激に拡大したことや、それに対して各事業者のリスク管理や対策が追い付かなかったことなどと考えられる。

この報告書では、「資金洗浄及びテロ資金供与のリスクを特定、評価」する目的で、仮想通貨によるマネー・ローンダリング被害の状況と今後の対策についても明記している。

疑わしい取引の事例

仮想通貨によるマネー・ローンダリング被害は、近年増加傾向にある。

平成29年4月から12月にかけて仮想通貨交換業者による疑わしい取引の届け出は669件あった。

どのような特徴や事例があるのか見てみよう。

疑わしい取引の特徴

  • 氏名、生年月日が異なる人物でありながら、本人確認書類に添付された顔写真が同一人物のものである。
  • 同じIPアドレスで複数の口座開設、利用者登録が行われている。
  • 利用者が日本に住んでいるのにもかかわらず、日本国外からログインされている。
  • 同じ携帯電話番号が複数のアカウント、利用者連絡先として登録され、その番号が使用されていない。

このような特徴を持つ疑わしい取引が多数発見されたということだ。

疑わしい取引の事例

  • 不正に他人名義のアカウントやクレジットカード情報を取得し、それを利用して仮想通貨を購入。その後、海外の仮想通貨交換サイトを経由し、日本円に換金。その代金をまた他人名義の口座に振り込んでいた。
  • 他人になりすまし本人確認書類を発行、それを利用して仮想通貨交換業者に口座開設した。
  • 違法薬物の取引、児童ポルノのダウンロードなどに必要なポイントの支払いとして仮想通貨が用いられていた。

このような事例が実際に確認されている。

今後の対策

上記で紹介した事例を受けて、警察庁では次のような対策を実施している。

  • 仮想通貨の交換を継続的、反復して行うことを内容とした契約を締結する(対仮想通貨交換業者)などの法令上の措置を行っている。
  • 金融庁は「仮想通貨モニタリングチーム」を発足し、同ガイドラインに基づき警告を行うなど、所管行政庁の措置を行っている。
  • 金融庁の作成した「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」を踏まえ、自主規制規則の策定をするなど業界団体及び事業者の措置を行っている。

まとめ

仮想通貨による取引は近年急激に拡大し、法整備やリスク管理が追い付いていないという現状がある。

結果、仮想通貨を利用したマネー・ローンダリングなどの問題が深刻化している。

しかし、所管行政庁や業界団体などが法令上の措置や危険度における低減措置を行い、効果が表れ始めていることも事実だ。

仮想通貨を取り巻く環境の変化は早く、これからも依然として危険度は高いと言われている。適時適切な危険度の低減措置が求められるだろう。

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